事故

軽井沢スキーバス転落事故。生存者も苦しむサバイバーズ・ギルトとは

軽井沢スキーバス事故

長野県軽井沢町で15人が死亡したスキーバスの転落事故は、乗員・乗客41人のうち15人が死亡、26名が重軽傷を負いました。

 

バス事故としては平成に入って以降、最悪の被害となりました。

 

事故が発生した碓氷バイパスは碓氷峠経由のバイパスとして、1971年に開通(有料道路として)しましたが、急カーブが多い場所でした。

2001年に碓氷バイパスは無料化されたこともあり、それなりの交通量はある状況でした。

ただし、急カーブも多いこと、夜間は照明がないことから走行時には注意が必要といわれていました。

今年で2年経ちましたが、遺族たちの心が癒えぬ中、大学のゼミの仲間とツアーに参加していた関東地方の20代の男性は、今も脳などの後遺症に苦しんでいます。(斉藤和音)

男性は大学を卒業し、就職を控えた冬に事故に巻き込まれました。頭などを強く打ち、重体に。

意識はまもなく戻りましたが、つぶれた車内から救出された時のことを含めても、事故前後の記憶がほとんどありません。

医師の方は、脳に障害が残る高次元脳機能障害と診断しました。

一緒にバスに乗っていたゼミ仲間の半数が亡くなったことを両親から知らされたのは、事故の約一カ月後でした。

 

「何言ってるの?昨日電話で話したよ。」障害の影響なのか、男性はそう言い返しましたが、スマートフォンでゼミの連絡網を見ると友人たちの名前が消えていました。

本当になくなったんだと涙があふれたそうです

 事故発生から救助について

事故直後に乗客が警察に110番通報を行い、佐久広域連合消防本部にも、「バスが事故を起こした」「けが人がいるか暗くて見えない」などの119番通報が寄せられました。

バスには乗客39人が乗車していてそのなかの32人が首都圏の大学生でした。乗客の年齢は

19歳が11人、20代が25人、30代が3人という乗客の大半が若い方というのが分かります。

事故発生時は、乗客は車外へ投げ出せれてしまい、とても悲惨な状況でした。

この事故でなくなった人数は15人で、身元の確認を行った結果全員が大学生でした。

遺体を調べた医師によると、犠牲者の方たちは瞬間的に頭部への大きなダメージを受けて、ほぼ全員が即死だったそうです。

この事故がどれだけすさまじかったのかが分かる内容ではないですか?

駆け付けた消防によると、バスの天井部分は激しく潰れており、天井から床までの間は1メートル程度しかない状態だったことから、通り抜けが出来ないため、油圧カッター等を利用し窓を切り開いた上で、バス車内へ入って救助活動を行ったそうです。

事故の原因

警察の量差によって、バスは左側のガードレールに接触する前から制御不能となった可能性があること、制限速度50キロメートルの現場区間を時速100キロメートル前後で走っていたことが分かりました。

実際に乗客は「バスは事故が発生する前に、かなりのスピードを出しており、左右に揺れていた」と複数の証言が聞かれました。

事故現場の250メートル手前にある監視カメラには、「事故車とみられるバスが蛇行しながら走る様子」が写っていました。

運転手については、過去の勤務先の関係者は、「小型バスの運転が多く、大型バスの運転は不慣れで、深夜バスの経験も乏しい」と証言しています。

また、運転手が勤務していたバス会社(イーエスピー)の幹部も高速道路だけで、一般道路の運転はあまり運転させないようにしていたとの事です。

あるバス会社によると、「通常、路線バスの乗務員研修は経験者でも最低3ヶ月を必要とします」と証言しています。

そんな中で数回しか運転していない状況で大型バスを運転していました。

このバス会社の運転手育成の問題も原因の一つではないかと思います。

https://uitanlog.com/?p=465

 

サバイバーズ・ギルド

人為的な操作ミスだった可能性が浮上する中、生存者たちはやりきれない思いと、苦悩を抱えています。

冒頭の男子大学生は「自分に何かできることはあったんじゃないか、声を掛けるだけじゃなくて、多少動けたんだから助けられたんじゃないか、とか悔やんでいる」と話しています。

そこでこう思う人が増えています。

どうしてオレが生きて、向こうが死んだんだろう。前まではそういう事故があっても気の毒なひとごとだったが、まさか自分に降りかかるとは思わなかった。なにが生死を分けたのか、本当にわからない」と…

長野県佐久市の病院の院長によると、事故現場から搬送された東京都内の男子大学生は退院を勧めた際に「車には乗りたくない」と強く主張し、新幹線に乗れるようになるまで退院を延期したいと希望しました。

この学生は通常の会話の途中ですぐ目を伏せたり言葉が続かなかったりと精神的ショックが続いている様子だといいます。

関係者によると、災害や事故から難を逃れた人が、生き残った自分を責めてしまう「サバイバーズ・ギルト」(生存者の罪悪感)と呼ばれる感情を抱くケースがあるといいます。

捜査関係者は、「今回は運転手が死亡していることから、怒りの矛先をどこに持っていっていいかわからず、矛先が自分に向きやすいかもしれない。今後は生き残った人たちへの精神的ケアが急務だ」と話しています。

こういった大きい事故や事件があった際の被害者は心の傷が大きくなってしまいます。

一刻も早くケアをして戻れることを願うのみです。

https://www.sankei.com/premium/news/160123/prm1601230028-n4.html